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ガバナンス

ガバナンスとは

ガバナンス(governance)とは、統治や支配、管理という意味で使われる。
ガバナンスの語源は、古代ギリシャ語であり「舵を取る」という意味で用いられていた。統治システムをいかにデザインするかという意味で使われてきた歴史がある。長い間「国家が経済と社会の舵を取る」という意味で使われてきた。そして現代でも、ガバナンスは「舵取り」を意味する。

ガバナンスの対象

その「舵取り」であるガバナンスが行われる対象は、企業、地方自治体、国家など、様々なものに広がり、その対象によって定義やガバナンスの持つ意味が異なる。例えば、行政のガバナンスは、政府・行政 組織によって一元的に行われていたサービスが、民間事業者や非営利組織、コミュニティ、地域の住民などによって行われることを指す場合が多い。また、企業のガバナンスは、コーポレートガバナンスと呼ばれ、健全な企業経営を行うために求められる管理体制の構築や企業の内部統治を指すことが多い。このように、対象は異なるものの「舵取り」という語源からくる本来の意味を残し、ガバナンスという言葉が使われている。

ガバナンスが求められる理由

企業におけるガバナンスが守られない場合、企業の不正や不祥事などにつながる可能性が高まり、企業の価値が下がることになる。また、日本企業全体として、ガバナンスが守られない傾向が高まると、世界的に日本企業のブランド力は下がり、日本経済そのものが失墜することになりかねない。企業が存在している業界だけではなく、国という観点で考えても、不正や不祥事は起こさない仕組みを構築することが求められている。

ガバナンスに求められる観点

コーポレートガバナンスを意識した経営を行っている会社に対し、日本取締役協会は、企業表彰コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤーを選出している。そして2022年度は、最高賞であるGrand Prize Companyは、株式会社日立製作所が受賞している。
その理由について、
①ガバナンス改革は「形式」から「実質」への転換が叫ばれて久しいが、日立製作所はいずれも備えている数少ない事例として高く評価できる
②取締役会の外部メンバーの多様性(スキル、国籍、ジェンダー)だけでなく、取締役会事務局のレベルが高い
③事務局の存在は目立たないが、「執行と監督の分離」を支え、取締役会の実効性に少なからず寄与している
④近年の同社の上場子会社に対し、徹底して取り組んでいる、などガバナンスのレベルの高さが評価されている。コーポレートガバナンスを意識して経営し、自社を改革しながら、中長期の健全な成長を実現している企業が評価されている。

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