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タレントに着眼してアサイン拡大を【前編/状況】

投稿日: 2014/11/05

テーマ:タレントマネジメント

タレントマネジメントをすでに自社の人材マネジメントの中に採り入れ、個人のタレントを活かそうとしている企業がある。その企業では、タレントマネジメントを推進していく以前に、そもそもどのような問題や課題を抱えていたのか、またタレントマネジメントをどのように位置づけ、問題や課題を克服し、解決を図っていったのか。タレントマネジメントを推進することによって会社組織を変革させていった事例を見ていくことにする。

 

・幅広い人材から新規プロジェクトの立ち上げを―A社の事例【前編/状況】

 

◆いかにアサイン対象の従業員を拡大するか

 

どんな企業においても、アイディアが豊富に生まれ、新しい商品やサービス、事業がどんどん立ち上がっていくような新規プロジェクトが生み出される風土は、他社と差別化していく意味でも、重要で欠かせないものであろう。

 

もちろん業種によっては、何年、時には何十年も変わらない息の長い商品やサービス、また事業を続けているところもあるかもしれないが、寿命の長い商品やサービス、事業であってもいつかは手を入れ直す必要が出てくる。手を入れなければ商品・サービス、また事業や組織は衰退していくしかない。

 

<事象>選ばれるメンバーはいつも同じ顔ぶれ

 

A社は、各クライアント企業から依頼を受けてWEBを活用した新規プロジェクトの立ち上げのコンサルティングを主業務としていた。そのため社内には新しいプロジェクトが絶えず生まれ、いくつものプロジェクトが同時進行していた。WEBの先端技術を採り入れながら行う仕事は難しいが、従事しているものにとっては、忙しくとも魅力的でやりがいがある。

 

しかし、だからといって社内全体が活気づいていたかというとそうではなかった。新規プロジェクトの初期メンバーに選出される従業員はいつも限られていたからである。WEBの世界では、多くの未開拓の部分が残されており、どの業界の企業もWEBを用いた新規プロジェクトの立ち上げに強い関心を抱いている。A社のクライアント企業もまた一刻も早く新規プロジェクトをたち上げたいため、A社の仕事にはスピードが求められ、一方、A社の周りには競合する企業がひしめいていた。

 

余裕があれば、発想の斬新な若い従業員や、まだ実績のない従業員をプロジェクトに参加させ、積極的に発言させたり、未知の仕事に就かせたりすることもできたであろう。そして、それらは従業員にとって新しい経験を積めるまたとない機会となり、会社組織にとっても思いがけない人材を発掘できるチャンスになったはずだ。メンバーひとりひとりにとっても、組織にとっても得られるものは大きい。だが、クライアント相手の仕事である以上、新規プロジェクトを最短の時間と手間で立ち上げ、しかも、着実に軌道に乗せなければならない。そのような事情から、新規プロジェクトは過去に実績をあげてきた従業員に任せることになりがちだった。

 

この会社で働く従業員は200名ほどにのぼっていたが、新規プロジェクトの立ち上げに携わるのはいつも決まった14~15名のメンバーに限られ、残りの従業員は、自ずと立ち上げ後の運用の仕事に携わることが多かったのである。

 

<課題>誰にでもチャンスを

 

確かにA社は、その方法で多くの新規プロジェクトを成功に導いていたのだが、社内に目を移せば、メンバーに選ばれない従業員は失望したり、自らの成長を志向しなくなったりしがちであった。選ばれないのが数度だけならば、次回のプロジェクトへの参画を期待できたかもしれない。しかし、同じことが度重なると、新規プロジェクトの立ち上げに携わる従業員と、その後の運用にかかわる従業員の立場は、まるで勝ち組と負け組のようにくっきりと分かれ始め、社内に閉塞感が漂うようになった。

 

新規プロジェクトは自分たちには関係がない。"いつもの仕事"を淡々とこなしていれば良い。失望や停滞感はあきらめに変わり、無関心までも呼び起こしていた。そして、新規プロジェクトにアサインされない従業員の中でも優秀な人材は、現実に離職し始めていた。彼ら彼女らにとっては、会社への期待が外れ、さらに裏切られたように感じていたのかもしれない。他に活路を求めても仕方ない状況だった。

 

経営層がこの問題を見逃していたわけではない。むしろ深刻な問題だと認識していた。新規プロジェクトはこれからもどんどん生まれてくる。これからは一部の従業員だけで取り組むわけにはいかない。できるだけ多くの従業員に経験を積んでほしかったのだが、新規プロジェクトの立ち上げのノウハウは属人化してしまい、会社としての組織力の強化や底上げにはつながっていなかった。

 

そこでA社では、タレントマネジメントに取り組むことにした。目的は、新規プロジェクトにアサインできる従業員を増やすこと。そして、そのために必要なタレントを明らかにすることであった。

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代表取締役社長 兼 CEO 大野 順也

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