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タレントマネジメントを行う目的

投稿日: 2014/10/08

テーマ:タレントマネジメント

タレントマネジメントは、「設計」「活用」「開発」「運用」の4つのフェーズを経て、またこれらの4つフェーズを恒常的に回すことで実現する。この4つのフェーズの中で最も重要なフェーズは「設計」のフェーズである。タレントマネジメントは人材マネジメントの考え方であって、昨今、各社が導入しているタレントマネジメントに特化したITシステムそのものでなければ、ITシステムを導入して実現するものでもない。

つまり、真のタレントマネジメントを実現するためには、会社の経営戦略を念頭に置き、有効なビジネスの仕組みを作るために人材、つまりタレントを揃えるのである。次に始まる新規事業のためだけでなく、5年後、10年後に会社が携わっているであろう、主要な事業を動かすための人材、また次の経営を担える人材を今から育成・開発する取り組みそのものがタレントマネジメントなのである。よって、「設計」フェーズでは、会社の経営戦略を念頭に置いて、どういった目的でタレントマネジメントを推進するのかを決める必要があり、この目的を決めることが極めて重要であると言える。

 

では、タレントマネジメントを推進する目的にはどのようなものがあるのか。前述の通り、タレントマネジメントが会社の経営戦略を実現することを前提に推進されるということは、会社の経営戦略が百社百様であるのと同じくして、タレントマネジメントを推進する目的も百社百様ということになる。しかし、それらの目的はいくつかに分類することができる。

 

【短期の目線-人材の適正配置・社内コレボレーション】

従業員のタレントを十分に生かしたい。人材の適材適所を実現したい。このような人材の最適配置に関する課題は、恐らくどのような会社組織でも抱えている課題なのではないだろうか。会社規模が大きくなると、従業員個々を見ることは難しくなり、また組織間の情報の行き来も難しくなる。場合によっては、セクショナリズムが発生することもある。さらに組織内に職種や役割が増えれば増えるほど、従業員個々の意思に沿わない異動や配置も少なからず発生する。タレントマネジメントを推進することで、従業員個々のタレントを明らかにすると共に、キャリアビジョンやキャリアプランを可視化し、人材の適正配置を実現する。タレントマネジメントが人材の適正配置に関する課題解決の一助を担うであろう。

次に、社内コレボレーションから考えてみる。ある職務経験を持った人の話を聞きたい、その経験を参考にしたい。こういうニーズは社内にはある。社内で部署の枠を超えて、経験や知識といったタレントを持つ人を探し出して、過去の経験を聞き出すことができれば、現在の目の前の仕事に大いに役立つだろう。仕事の質もスピードも大きく改善され、過去の失敗を繰り返すことはなくなり、事前に最善の対策を講じることができるだろう。また、新しい商品やサービスを開発するためのプロジェクトチームをつくる際も、関連する知識や経験を持つ人はメンバーとして欠かせない。だが、せっかくタレントを持つ人材がいても、社内で知られていなければ、そのタレントを持つ人材が存在しないに等しい。タレントマネジメントによって各人のタレントが可視化できれば、より効率的・効果的に仕事を進めることができるであろう。

人材の適正配置、社内コラボレーションは「短期の目線」によるタレントマネジメントの活用の代表例である。

 

【中長期の目線-キャリアデザイン・サクセッションプラン】

タレントマネジメントは、5年後、10年後の人材育成を目的に取り組む場合もある。中長期の目線に基づくタレントマネジメントである。一般の従業員にとっては、自分のキャリアをどう描いていくのか。数年後にどのような分野で、どのような役割に就いて働いているのか。そのためどのような知識を得て、経験を積んでいるのか。個々人のキャリアデザインに沿って育成や配置を行うことは、中長期の目線に基づくタレントマネジメントの代表例である。

次世代の経営者を育成することも、タレントマネジメントの重要な取り組みのうちのひとつである。優秀な人材を選び、特別な研修プログラムを受講させ、あらゆる部門を経験させていく。次世代の経営者候補の育成。つまり、サクセッションプランである。これもまた、重要な中長期の目線に基づくタレントマネジメントのあり方である。

 

このようにタレントマネジメントは、会社の経営戦略に沿って、人材のタレントをどのように育て、活用していくのかといった目的があって初めて成り立つ。つまり、会社の経営戦略に沿った人材マネジメントの仕組みや取組みを、どのように整備するのかが極めて重要であり、タレントマネジメントを推進・実現していく上での本質と言える。単にタレントマネジメントに特化したITシステムを導入するだけで実現するものではないのである。

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代表取締役社長 兼 CEO 大野 順也

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